大人にとって易しくても、子どもにも易しいとは限りません!

あたりまえのことをあたりまえとわかるのは、実は難しい #教育 #算数 #数学
小学校の算数も、大学の数学も、初めて学ぶ人にとって「わからない」ことがあるのは当然です。

ときどき、保護者の方から「うちの子はこんなあたりまえのことが、いくら言ってもわからないんです」という相談を受けます。
でも、大人目線の「あたりまえ」は子どもにとって必ずしも「易しい」ことではないのです。

私は数学科の出身なんですが、数学の教科書にはよく「定義から〜は自明である」などと書かれていて、学生たちを悩ませます。
「自明=明らか」っていうことですけど、多くの場合「自明??どこが???」「もう、もっと教科書詳しく書いて!」って思います。
その中には、限られたページの中で省略している場合もありますが、本当に「わかってしまえばあたりまえ」のことも多いのです。

この「わかってしまえば」が曲者で、わからない時は全然わからないんです。
でも、数学科なのでしかたなく勉強を続けていくうち「なるほど、明らかだ」と納得する。
そして、一旦納得できたら本当にあたりまえで「自分はなんでこんなあたりまえのことを理解できなかったんだろう」って思うんです。
(まぁ、こんなこと理系の人以外は共感してもらえないんですけどね)

教科書を書いている人にとっては「自明」「明らか」なことでも、はじめてそこを勉強する人にとっては全然「自明」でないことはたくさんあります。
このことは難しい大学の数学だからではなく、小学校1年生の算数だって同じです。
「初めて勉強することはわけがわからない」これは当然です。

大人はすでにたくさんのことを学んでいるので、いろいろなことが「あたりまえ」に思えています。
たとえば、1+2=3 だから、100+200=300 は明らかです。
でも、子どもたちはまだ勉強を始めてまもないのです。
説明をされたら「そう言われればそうかな」と思っても、「あたりまえだね」って思えるのは、既にわかっている子だけ。本当は腑に落ちていない子も多いはずなんです。

今の算数の教科書を見ていると「こんな易しいこと、ちょっと考えれば誰だってわかるよね」という大人目線で書かれているような気がしてしかたありません。
「前に習ったことを使って考えてみよう」と言われても、「前に習ったこと」が本当はよくわかってないという状態では、それを応用して発展的に考えるなんてできっこないんです。

大学生の時の自分は「自分で数学科を選んだんだから」ということで、とにかくわかるまで勉強しました。
でも、子どもたちは算数を学習することを自分で選んだわけじゃありません。
わからないとき、無理をして教えたり、覚えさせたりすれば「算数苦手!」「算数嫌い」「数学なんて見るのも嫌!」っていうようになるのも時間の問題です。

そんな子どもたちを作らないためにも、子どもたちの「わからない」に対しては温かい目で見てあげたい。
もしわからなくても「ここは、もうちょっと後になればわかるよ」ってはげましてあげたい。
だって、多くの大人が「あたりまえ」って思っていることは、子どもだってあと少し勉強すれば「あたりまえ」ってわかるようになるはずなのですから。

2022/2/18

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