今回は「くり上りのあるたし算」についてです。(ただし、小学1年の教科書には、位取りの説明がほとんどされていないためか「くり上がり」という言葉は出てきません)
小学1年生の教科書では8+6のような計算は、
8はあと2で10
6を2と4にわける
8と2で10
10と4で14
のように考える説明がされています。
でも、子どもたちにタイルをわたすと、
8は5と3
6は5と1
5と5で10
3と1で4
10と4で14
と考える子が多いです。(書くと大変ですが、上の写真を見ていただけると一瞬です)
「5と5で10」はみんな得意ですから、5のタイルが2つある8+7や9+5のような、(子どもたちにとって)の大きい数のたし算は、タイルを使うとやさしい計算になってしまいます。
すると、くりあがりのある計算のうち、この形ではできないものは
9+2、9+3、9+4、8+3、8+4、7+4の6種類だけになります。
これらは教科書と同じように考えるわけですが、大切なことは、タイルを使うことで子ども自身がさまざまに考えることができるということなのです。
さらに、子どもたちが実際に問題をやってみると、人によって様々な間違いや混乱が起きます。でも「わからなかったら自分でタイルで確認」すれば自分で正解を出すことができるのです。誰か他の人が正しいと言ったから正しいのではなく「自分で正しいことが確認できる」という体験は子どもにとって、とても大事なことだと思っています。