数教研の教材は、「9までのたし算」「9までのひき算」でまとまりになっています。
なんで10までじゃないのかと疑問に思われた方もいるかと思いますが、数学の世界での「十(じゅう)は2けたの数の始まり」ということを大切にしているためなのです。
10という数字の書き方は「十」のかたまりが1こ、「一」が0こという意味です。
このことをわかっていれば十三が103でなく13でなければならないことがきちんと説明できます。
さて、計算のためには、たして10になる数の組み合わせを知っていなくてはなりません。
「5と5で10」は子どもたちにとってもあたりまえ。他の「1と9」「2と8」「3と7」「4と6」の組み合わせも同じようにあたりまえになって欲しいのです。それも、
・3と7でいくつ?
・10から3をとるといくつ?
・3といくつで10になる?
・10からいつくをとると7になる?
というような問いかけが、それぞれ別々のことでなく、つながっているんだということを実感して欲しいのです。このことは、大人にとってはあたり前ですが、子どもには意外に難しいことなので、最初は別々のことと感じてしまうかもしれません。
でも、実際にタイルで何度もやってみることによって、子ども自身が「あ、なんだ!同じだね」と気づいていきます。そのための簡単な遊びを1つご紹介します。
5のタイル1つと1のタイル5つを用意して10あることを確認したら、そのうちのいくつかを手に隠します。そして、
「かくしたのいくつ?」
と聞いて答えるクイズです。
合っていたら「ピンポン」間違ったら「ブブー」と言って手の中のタイルを見せるだけです。
普段は宿題を出すことはありませんが、このときはお家の方に一緒に遊んでもらうようにお願いしています。
遊びなんですから間違っても怒らないことがお約束。
大人が問題を出すだけでなく、お子さんにも問題を出してもらって、大人が答えるのもいいですね。
ときどき、フェイクで大人が間違えたり、正しいのに間違ったフリをするとか、いろいろ遊ぶことができます。
このことが、この後のくり上がり、くり下がりの学習の基本になっていくのです。