小学2年生で「最低これだけは」を書こうと思ったのですが、まず、小学2年生で算数が苦手になる人が多い理由を考えてみます。
普通に生活している小学1年生が算数で難しいのは、たし算ひき算のことと、とけいの読み方くらいです。あとは「知っていること」を使って答を出していくだけです。
ところが、小学2年生になるとそうはいきません。自分の生活の中にはないことがたくさん出てきます。例をあげていきましょう。
小学2年生では「時こくと時間」「長さ」「水のかさ」などの、1つ2つと数えられない「量」の学習が始まります。
時刻と時間は大人でも「集合時間は5時」とか言ってごっちゃになっているし(意味を考えたら集合時刻が正しいですよね)、「水のかさ」なんてほとんどの子が日常の中で考えたことがないでしょう。
長さでは「cm、mm、m」と3種類も記号があるし、数字のついていないものさしを使って長さを測らなくてはなりません。(今どき竹のものさしなんて見ませんね)
図形のところには「ちょう点」「直角」「長方形」「正方形」「直角三角形」と聞いたこともない言葉が次々に出てきます。
「大きい数」には1めもりが1ではない「数直線」が出てきますがこれも難しいのです。(数えるだけだと上の図の2番のような問題は6や404になってしまいます)
さらに2年生の終わり頃には「分数」まで登場するのです。(分数については「小学2年生の分数はお味見です」をお読みください)
このように子どもにとって見たことも聞いたこともないことが次々に登場してくるのが小学2年生の算数なんです。ひとつひとつのことは大したことはなくても、2つ3つと新しいことが重なると全然わからなくなってしまうのはよくあることです。
そして、もちろん「たし算ひき算」もパワーアップしていますし、「かけ算」も登場して九九を覚えなくてはなりません。
新しい言葉や概念をすぐ使いこなせる子はいいけれど、理解して使いこなすのに時間のかかる子にとってはすごく大変だということがわかるかと思います。これが「算数苦手」の一因だと思います。
でも、これらの新しいことはそのとき学習して終わりではありません。これから時間をかけていろいろな学習をしていく中で、だんだん理解できれば良い、それくらいの気持ちで、お子さんに接していただきたいと思います。
もちろん、「小学2年生のうちにしっかり理解して欲しいこと」はありますのでそれは次回に。