子どものやる気のなさは「自分はダメ」を学習してしまったせいかもしれません

「学習性無力感」について #教育 #心理学 

自分が行動したことが認められないことが続くと、やる気を無くして、努力すること自体をやめてしまうことがあります。このような現象を「学習性無力感」と呼んでいます。「無力感を学習した」という意味です。心理学の用語ですので、詳しいことは他のページにお任せしますが、こうなってしまうと、その人本来のやる気を取り戻すためには時間がかかります。
これは誰にでも起きる現象ですが、今回は子どもの勉強について書きます。

子どもたちは算数や国語などの教科の学習をするときも、
 「こういうことを答えたら、先生(親)は喜ぶ(怒る)」とか
 「こうすれば、勉強がうまくいく」とか
 「自分は、これが得意(苦手)」
などなど、教科内容以外のことも学んでいます。「学習性無力感」はそんな自然に学んでしまうことの一つです。

例えば教科の内容を教えようとして、問題をやらせて間違ったらバツをつけてやり直しをさせるというのは普通の指導法です。でも、何度やってもバツをつけられたり、間違いを怒られたりということが繰り返されてしまうと、子どもは「自分には無理だ」「自分はダメな人間だ」と学んでしまい、本来できるはずのこともやらなくなってしまうことがあるのです。(もちろん、全ての人がそうなるわけではありませんが)

中3で来たある男子生徒さんは完全にこの状態で「学校の授業は分からない、宿題はやらない、テストはできない」のがあたりまえ、口癖は「どうせ…」と「ダメだ」でした。小学校3年生レベルの算数からやり直すことで、幸いにも半年ほどで抜け出すことができましたが、小中学校でかなり辛い思いをしていただろうと思うのです。(本人が口にすることはありませんでしたが)
ちなみに、その生徒さんが中3の時の50m走のタイムは10秒台だったそうです。高1では8秒台だったそうなので、学習性無力感が学習面だけでなく様々なところに影響を及ぼしてしまうことがわかると思います。

算数は正解、不正解が(自分にも他人にも)はっきりわかってしまうので、できなければ自信をなくす可能性が高い教科だと思います。自信をなくして来る生徒さんは多いです。でも、ちゃんと学習すれば「自分でもできる」と思うことのできる教科でもあります。だからこそ子どもの「わかった、できる」を応援して、辛い思いをする子が一人でも減るようにと思ってしまうのです。

2022/2/27

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